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予防歯科では、虫歯や歯周病を防ぎ、健康なお口を維持するための処置を行います。
欧米諸国の歯科医院の役割は、治療から予防へと変化してきており、日本でもその傾向は強くなりつつあります。
当院では「痛くなってからの治療」から「痛くなるまえの予防」へと、予防歯科への意識を高め、導けるよう治療にあたっております。
「8020運動」(80歳になっても自分の歯を20本以上持とう!)に向け、健康な歯を維持していただくために、日常のお口のケアと定期検診をしています。
決して「自分の歯磨きは完壁だ!」と思わないでください。必ず半年から1年に1度はチェックを受けてください。
歯肉の下についてくる歯石を患者さん自身が見つけることはできません。
定期検診では、歯科医のチェック後、国家資格を持った歯科衛生士が歯石の除去を行います。
虫歯や歯周病に罹患して、痛い思いをするよりも、結果的にはるかに痛みも少なく経済的です(歯の歯石除去は保険治療範囲内です。)
当院では治療終了後4~6カ月に一度、ご希望の患者様に定期検診のご連絡を葉書でお知らせしております。
歯周病は歯周病菌が起こす歯の感染症です。
歯肉の腫れや出血などの症状が現れ、進行すると歯を支える骨を溶かし、やがて歯を失ってしまいます。
日本人の成人の8割が歯周病またはその予備軍であるという統計が出ています。
「歯を磨かなくても死ぬわけじゃないから」…いいえ、それは大間違いです。
歯周病菌が血中に入ると、全身疾患を引き起こす可能性もあるのです。
将来、歯を失うことのないように日ごろから歯周病を意識しましょう。
歯肉炎
プラークや歯石がたまり、歯肉が赤く腫れます。歯肉から出血することもあります。
歯周炎(軽度)
歯周ポケットができはじめ、歯肉縁下に歯石がたまります。
歯槽骨が溶けはじめ、歯肉から膿みや血がでます。
歯周炎(中等度)
歯周ポケットがさらに深くなり、歯肉から膿がでて、口臭もひどくなります。歯槽骨の破壊も進むため歯がぐらつきはじめ、咬みにくくなります。
歯周炎(重度)
歯根が完全に露出してしまい、歯のぐらつきが増します。
歯が自然に抜け落ちてしまう場合もあります。
歯周病菌が体内に入り込んだ場合、重篤な病気を引き起こすことがあります。
つまり、歯周病は歯周組織における疾患にとどまらず、全身疾患を引き起こす生活習慣病の一つとしてとらえることができるのです。
肺炎
高齢者、特に要介護者の場合、物を飲み込む機能が低下するため、就寝中に口腔に生息する細菌が、唾液とともに肺に侵入する機会が増加します。
このため、肺炎(誤飲性肺炎)の発症頻度が高くなります。
動脈疾患
歯周病をもつ心疾患患者の死亡率は、通常の約2倍といわれています。
歯周病菌の作り出す物質が心臓の冠状動脈内壁を肥厚させ狭心症、心筋梗塞を起こします。
心内膜炎
歯周病菌は付着能力が強く、心内膜に付着し増殖して内膜炎を引き起こします。
低体重児出産 「早産」
歯周病の原因菌や毒素が、血液中や羊水中に移行して、低体重児、早産の原因になることがわかってきました。
一説には、歯周炎の女性の場合、歯周炎のない女性に比べて、5倍ぐらいのリスクがあるといわれています。
糖尿病
歯周病菌への免疫反応として放出されるサイトカインという物質が糖分を細胞内に取り込む役目をするインスリンに作用してその機能を阻害するため、結果として血糖値が上昇し糖尿病になります。
歯周病の最大の原因はプラーク(歯垢)に潜む細菌ですから、その予防には日常のプラークコントロール(歯垢除去)が最も有効な方法です。
「みがいているけど、みがけていない」そんな患者さんを多く見かけます。
歯みがき、歯ブラシに加えて、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを活用して、ポイントを押さえたブラッシングを心がけてください。